まだ、帰宅時に太郎が迎えに来るのを探してしまって

「ああ、そうだ、いないんだ」ということにそのたびにつらくなるので

この1週間はひたすら、知っている人に会うのを避けました

仕事中は、気を張っているのでなんとか乗り切れるし

知らない人とは、話の接点がないから大丈夫

でもほっとする人たちに会ったら、何かのはずみでうっかり気が緩んで泣いてしまう気がして。

ですが週末、動かせないアポイントが2つあり

とにかく悲しいことを思い出さないように思い出さないように、と自分に言い聞かせながら出かけました

そうしたら会った途端に

「?!何かあった?!大丈夫?!」と心配される私って・・・。(ふつうにしてるつもりなのに!)

「なんでもない。何もない。なんでもないったら!」と言い張っても

「いや絶対何かあったでしょう。どうしたの?」と覗き込まれて

結局

「うう。た、太郎が。太郎が・・・」とつぶやきかけると

なぜかすでにその人も涙目になってて

「あ、あれ?!なんだか悲しくなっちゃって」と泣きそうになってて

太郎のことを知らない人まで心配かけて涙目に巻き込んでしまいました

つくづく

自分がどんな状態なのかを、周囲の人たちは鏡のように映し出してくれているんだなと思います

笑っているときは周りの人たちも笑ってくれるし

悲しいときは悲しさが伝わってる

そう思うと落ち込んでばかりもいられない

元気出さなくちゃ。

 

忘れることなんてできないので思いっきり太郎がいかに可愛いかを熱く綴ろうと思います

見た目だけじゃなくて性格も超キュートな黒柴です

どれくらいキュートかというと

周囲の人を絶対笑顔にするチカラがある犬でした

本犬はそんな自覚は無く、というかそもそもものすごく内弁慶で

家の中ですごした仔犬時代を経て、初めて外に散歩に行ったら、外界の広さに度肝を抜かれた様子

ずーーーーっと遠くのほうに人影が見えた途端、ピタッと足を止めて座り込み

ゼッタイに動かない。見知らぬものが怖い、というのです。

仕方がないから、その、とおーくの方から歩いてくる人が、通り過ぎるまでその場所で待つしかないのですが

なぜか太郎は、その初対面の通り過ぎる人を、しげしげと見つめ続けるのです

その人も、視線のやり場に困るほど。太郎と目がバッチリ合っちゃうから。

「あの、すみません、なんか、太郎が見つめすぎてすみません」といたたまれずに謝ると

「いえいえ、いいんですよ」と、太郎のまあるい瞳で見つめられてその人も悪い気がしない様子で

そんな会話の間も、じーっと見つめて見送る太郎がまた面白く・・・

そんなふうに、通りすがりの人まで魅了する犬でした。

 

誉められるのが大好きで、【ボールを持ってくると誉められる!】と気づいてからは

得意げにボールをくわえて、【誉めて誉めてー!】と、とびきり嬉しそうに走ってきてました

柴犬って、嬉しいときに、耳がぺたーんと平らになって、嬉しさ全開で来るのが可愛く

そのくせ飽きるとさっさと見向きもせずに行ってしまうクールな一面も。(←単に飽きっぽいのかも)

 

道行く子供たちが毎朝必ず、「太郎ちゃん!太郎ちゃん!」と一目見ようと声をかけて行き

近所のおじいちゃんたちは、早朝、「ほ~ら、太郎、おいで~!」とそ~っとビスケットを持ってきていたのを私は知っています

犬を散歩させている方々は、「ほら、太郎君だよ!」と、なぜかご自分の犬を抱っこして、太郎に目線を合わせて犬同士会わせて行きます(犬同士友達にしたかった様子 笑)

あまりに人気があるので、私なんて、「まったく、太郎は外面がいいんだから!」とかるくジェラシー。

 

そんな愛嬌が人気の素の太郎ですが

太郎の魅力はそれだけじゃありません

面白いのです。

いろいろエピソードはありますがその中でも忘れられない出来事を書きます

ある日。かすかな、【助けて!】というニュアンスの太郎の声を聞いた私は庭に飛び出しました

太郎が助けを求めてる!

ですが庭じゅうどこを探しても姿がありません

(まさか、もしかして、誘拐?!そんな、太郎が可愛いからって、そんな!!)

「太郎!太郎!」と私は慌てふためいて呼びました

家族も驚いて、「いない!太郎がいない!」とおろおろしています

探しに行かなくちゃ!と、リードを手に外に向かおうとする家族。

そのときふと、かすかに、太郎の弱々しい声が聞こえた気がした私は

もう一度、「太郎!」と呼んでみました

すると・・・・・。

ガサガサ!ザザザ!!という音が、なぜか、物置の下から聞こえて、

えええ?!と思って、見ていると・・・

物置の下にイタズラで穴を掘っていたら自分ももぐってしまい、方向がわからなくなって出られなくなったらしく

私の声が聞こえる方を頼りにザザザーっと足掻いている様子

数秒後、太郎の身体がギリギリ通る幅に掘った穴から、ぴょんっと飛び出してきて

ブルブルブルっと土を払い

私と目が合って、明らかにほっとした表情をしてから

ちょっと気まずそうに目をそらし、そして何事もなかったかのように歩き出したのを見た時には脱力しました・・・。

あの、目のそらし方。今思い出しても笑っちゃいます。

 

そんなふうにいろいろ手がかかるのも魅力のひとつの太郎でした

庭に穴を掘っちゃだめ!と言われているのに、犬の習性なのか宝物を見つけようとしているのかはたまた暑い日に涼しさを求めて掘っているのか、それはわかりませんが

(どうも怪しい・・・)と思って探しに行って、太郎が掘った穴を見つけて、「あ!!!」と私が振り返ると

猛ダッシュで、庭を3周くらい駆け回り(そのスピードと急ブレーキぶり、すごかった!)

【庭のパトロール、僕、全力でやってます!!!】とアピール

その後、ボールをくわえてきて、【ほらほら~、ボール持ってきたよ~、怒らないで!まあまあ、おひとつボールをどうぞどうぞ!】と愛想を振りまき

その姿に思わず笑ってしまって

一体全体、この要領の良さはいったい誰に似たのか?!と家族でモメたほどです(我が家の家系にそういったタイプはいないのに!)

 

柴犬は、雰囲気に影響されやすいと聞きます

私が、ほらほら~、太郎~、楽しいね~!とかまうと

【あれれ?なんか、楽しいな~、楽しいな~】とつられてはしゃぐのです

そんなことが多かったので、私はてっきり、太郎は「楽しさ」に敏感なのかと思っていたのですが

それだけじゃないってことを知る出来事がありました

10年くらい前だったかな、何が原因だったか忘れてしまったけれど

すごく悲しい出来事があって、それが自分のチカラではどうしようもないことで

庭に出て、やりきれない気持ちを抱えてしゃがみこんでいたら

【お!尚美ちゃんがいる!】と、駆け寄った太郎が

普段と違う私の様子に戸惑ったのか

うろうろしてから、近くに座り、じーっと私を見つめて、そして・・・

ぺろっと私のほっぺたをなめたのです

そのとき初めて自分が泣いてたことに気付きました

犬なりに、涙を止めたかったんだなあと思います

普段マイペースでクールなのに、ちゃんと人の気持ちを察知して寄り添うってすごいなあと

自分の犬ながら感心した出来事でした。

 

天国に旅立ってしまったことの悲しみが薄れることはないけれど

こうして思い出す太郎のエピソードは幸せなものばかりで

そんな幸せな時間を、一緒にすごせたことをいつも覚えていようと思います

動物病院からもお見舞いの花束が届いたほど、皆に愛された犬でした

私は宗教はまったく興味がありませんが、きっと誰かしら神様はいると思うので(そうじゃなくちゃ願い事をかける相手がいない!)

太郎が天国で楽しくすごしているといいなと思います

あの可愛らしさで、神様のこともとびきりの笑顔にしていると思う。

 

姉バカ全開の記事になってしまいました

そろそろ泣きはらしたマブタもひいてきたので元気出していこうと思います

マブタの腫れといえば、先日、思いがけない再会がありました

ちょっと長くなったのでその話はまた後日。

 

明日が明るい日でありますように。

皆様心地よい週末をおすごしください。

優しいメッセージをくださった皆様、ありがとうございました。

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